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4. マイクロプレートラジオルミノグラフィーとその Radio HPLC への応用

はじめに

 1960 年以来,β放射体はほとんど例外なく液体シンチレーション計数法(装置を含めて,LSC)により測定されている.しかし,この測定法には試料の回収ができない,専用のバイアルと液体シンチレーターを必要とする,処理困難な大量の放射性廃棄物が出るなど多くの問題がある.著者はLSCに代わるβ放射体の測定法として,1992年マイクロプレートラジオルミノグラフィー(本法)を提案(1)し,RLG 用に設計した48 穴マイクロプレートを供給している.
 本法の利点は,LSCの計数に相当する過程,露光の時間をLSCに比べて桁違いに長くすることによって測定精度が向上できること,1枚(600円)のマイクロプレート1枚で 48個の試料がLSCに遜色のない精度で測定でき,しかも廃棄物処理の煩わしさから完全に解放されることである.
 本法が最も威力を発揮するのは radio HPLC オフライン計数においてである.本法によって HPLC 固有の分離能を維持したラジオクロマトグラムが安価にかつ容易に得られる.このことは,薬物の吸収排泄試験において放射能濃度に代って各代謝物のタイムコースを解明できる道が開かれたことを意味している.
   
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