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9. β放射性同位体定量測定法としてのラジオルミノグラフィーの再評価

9.3 RLGと液シンの比較

極低放射能領域における測定精度を比較したデータをFig.5に示す.RLG 測定シートは,放射能溶液を縦横10 mm 間隔でプラスチックフィルムにスポットし,乾燥することにより作成した.液シンはアロカ社の普通の液シン及び逆同時計数回路つき低バック液シンを用いた.普通の液シンのBGは20-30cpmである.ここに挙げられている値は,チャンピオンデータで,実際にはもっと劣る状態で測定されていると思われる.いずれもBGの3SDを超える信号を与える放射能を検出限界とした.
液シン,RLG の検出限界はいずれも BG 値及び計数(露光)時間の1/2乗に比例して改善されている.このことは,放射能測定法として両者に本質的な差がないことを意味している.C の条件における測定精度は,低バック液シンによる100 分計数のときのそれよりも優れていることを強調しておく.
横軸の単位に注意されたい.Bqは放射能のSI単位で,毎秒の崩壊数が1個であるときの放射能の量を1Bqと定義している.長さ,質量,物質量などではSI基本単位にSI接頭語をつけてこれより桁の小さい値を示しているが,mBqは聞き慣れない単位である.これは,従来の計数装置による計数時間は通常分単位であること,この計数時間ではBG計数の変動のために0.1Bq以下の測定は困難なためである.前述したように,RLGでは極めて低いBGで測定でき,露光時間は1日から1週間(1440-10080分)であるのでmBq単位の表示が実用的になる.

 

Figur 5

Fig. 5 Comparison of the calibration curves for low C-14

   
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